復興リーダー会議とは

組織と活動記録

1 「復興リーダー会議」について

復興リーダー会議副委員長
田村次朗(G-SEC副所長、法学部教授)

グローバルセキュリティ研究所(G-SEC)は、世界の変化を先取りし、現代社会が直面する諸課題の中から、今日的課題として研究が望まれる課題を学術研究の対象としています。中でも、グローバルな課題に挑む人材輩出は、重要課題の1つとして取り組んでいます。
東日本大震災直後の、想定すらできない現場に身を投じて被災者救済を指揮した人々、国や自治体が十分に機能しない現場において被災者支援を指揮した人々、未曽有の事態からの復興の重責を託された人々、彼らは組織や環境が安定した状態(平時)におけるリーダーシップに加えて、平時とは大きく異なる事態において自ら判断し行動できる能力が求められたものと想像されます。その姿は、G-SECが目指すグローバルリーダーと重なるものがありました。
本プロジェクトは、被災地での支援活動で実績を積んだリーダーや、今後の復興を担う人々による「復興リーダー会議」を立ち上げ、被災地での救援や支援に関する情報交換、復興に向けての議論や勉強会を重ねることにより、次のような成果につなげ、それを社会と広く共有していくことを目指しました。
・復興を支援・推進するプログラムやネットワークづくり
・被災直後の避難支援、避難生活の支援、復旧、復興等の活動モデルづくり
・日本発グローバルリーダー像とその育成プログラムづくり

「復興リーダー会議」の活動は、震災から1年を経過してからのスタートとなりました。これは、前述のねらいを達成するためには、運営側の一方的な思いではなく、現地で活躍するリーダーをはじめとする復興事業に携わる方々から話を聞き、具体的な活動内容を検討することが望ましいとの考えによるもので、2011年夏から秋にかけて、NPO法人のリーダー、中央官庁や地方自治体で復興事業に携わる方々にお集まりいただき、準備委員会を組んで企画を練り上げました。
会議委員には、国や自治体、企業、アカデミア、NPO等、復興支援活動でリーダーの責を負われている方々にお集まりいただき、忌憚のない意見交換、議論を交わしていただくために、会議は委員のみの開催として、成果は公開シンポジウムで発表するとともに、Webサイトに掲載して、社会と共有することとしました。
学内外の識者の方にご相談に伺いました。その中で、鈴木寛様(前参議院議員、元文部科学副大臣)には、本会議の趣旨に賛同をいただきまして、2011年秋に、SFC Open Research Forum会場にて開催しましたキックオフシンポジウムにおいてご講演を賜り、アドバイザーをお引き受けいただきました。
以上のような準備段階を経て会議運営の企画を立てるとともに、趣意書にまとめて会議委員を紹介いただき、2012年4月から、3年間・3期にわたり活動を行い、12件の提言・アクションプランをまとめました。

2 組織(所属・肩書は活動当時のものです。)

委員長
細田 衛士(経済学部教授)
副委員長
田村 次朗(法学部教授、グローバルセキュリティ研究所副所長)
アドバイザー
鈴木 寛 (大学院政策・メディア研究科教授、元文部科学副大臣)
運営委員会
委員長、副委員長、委員6名
委員
第1期 43名、第2期 31名、第3期 28名 計102名
<内訳>
(性別)男性 78名、女性 24名
(年代)20代から60代
(所属)中央官庁 21名,地方公共団体 10名,民間企業 20名
NPO・NGO等非営利団体 31名,専門職 18名,学生 2名
※専門職とは,国家資格及びそれに準ずる資格による職業と定義した。
弁護士,公認会計士,助産師,教員(大学教員も学術研究の専門職に含めた)
(活動拠点)岩手県 25名,宮城県 16名,福島県 9名,栃木県 1名,
東北 4名,東京と東北 2名,東京 38名,神奈川県 1名,
大阪府 1名,兵庫県 3名,福岡県 1名,国内外 1名

3 活動記録(所属・肩書は活動当時のものです。)

【準備委員会】(2011年 8月 1日~2012年 4月17日にかけて14回開催)

震災復興支援に係るプロジェクトついて意見交換、活動の狙い・めざす成果、組織、進め方、会議員・講師の選出、活動予算・資金等について検討を重ねた。

【キックオフミーティング】(2011年11月22日)

テーマ:
「リーダーの在り方について考える-震災復興を契機として-」[orf2011]
会場:
東京ミッドタウン カンファレンス Room3
ゲスト:
鈴木 寛氏(参議院議員(前文部科学副大臣))
進行:
田村 次朗(G-SEC副所長、法学部教授)
【第1期復興リーダー会議】(2012年度)

中央官庁や地方自治体関係者、NPO・NGO、民間企業等、多様な背景を持つ委員により、2つの復興支援活動モデルと3つの課題共有に関する提言(4頁に掲載)をまとめ、シンポジウム開催、Webサイト掲載により社会と共有した。

<第1回会議> 2012年4月21日

講演
「復興リーダーと問題解決力‐交渉学への招待‐」[DP1_01]
田村次朗(慶應義塾大学法学部教授)
「復興をリードする指揮者の仕事‐「二つ」を同時にコンダクトする‐」[DP1_02]
伊東 乾(作曲家=指揮者、東京大学大学院情報学環作曲=指揮・情報詩学研究室准教授)

<第2回会議> 2012年5月26日

講演
「地域アドボカシーを通じて世界を変える」個人が政治的優先順位を形成し、世界の保健を向上させる方法[DP1_03]
ジョアン・カーター(RESULTS エグゼクティブディレクター)

<第3回会議> 2012年6月16日

講演
「平和はつくれるか」[DP1_04]
伊勢崎賢治(東京外国語大学大学院教授)
「スポーツの秘める無限のパワー」[DP1_05]
西村雄一((公財)日本サッカー協会 プロフェッショナルレフェリー/国際主審)

<第4回会議> 2012年7月21日

講演
「リーダーシップとは」[DP1_06]
村上陽一郎(東洋英和女学院大学学長)
「東日本大震災における防衛省・自衛隊の指揮活動」[DP1_07]
折木良一(防衛大臣補佐官・前防衛省統合幕僚長)

<合 宿> 2012年9月22日~23日 岩手県盛岡市

[岩手合宿報告]

講演
「創造的復興教育の取り組み」鈴木寛氏(参議員議員)
講演
「大震災対応で重要な4つの視点」達増拓也氏(岩手県知事)
グループワーク
「震災復興における課題と対策」

<第5回会議> 2012年10月27日

講演
「チャンピオンチームを作る」[DP1_08]
エディ・ジョーンズ(ラグビー日本代表ヘッドコーチ)
「進んだ復旧とこれからの課題」[DP1_09]
岡本全勝(復興庁統括官)
討議
合宿における成果の共有、ブラッシュアップのための討議。

<中間報告会> 2012年11月23日

「今こそ考える被災地の復興‐慶應G-SEC復興リーダー会議の試み‐」[orf2012]

会場:
G-SEC Square @ SFC ORF 2012 東京ミッドタウン room 9
講演:
木川 眞氏 (ヤマトホールディングス株式会社 代表取締役社長)
パネリスト:
藤沢 烈(一般社団法人RCF復興支援チーム代表理事、復興庁政策調査官)
龍治玲奈(日本マイクロソフト株式会社法務・政策企画統括本部渉外・社会貢献課長)
葛巻徹氏(特定非営利活動法人いわて連携復興センター事務局長)
高橋大就氏(一般社団法人東の食の会事務局代表)
進行:
田村次朗(G-SEC副所長、法学部教授)

<第6回会議> 2012年12月1日

講演
「コミュニケーション・マネジメント -リーダーシップ教育の実践-」[DP1_10]
 田村次朗(慶應義塾大学G-SEC副所長・法学部教授)

提言・アクションプラン発表会

<シンポジウム> 2013年2月23日

「震災2年目のチャレンジ~復興を風化させないために~」[sympo2012]

会場:
慶應義塾大学三田キャンパス北館ホール
基調講演:
「復興の現状と課題」
根本 匠氏(復興大臣)
発表Ⅰ:
「被災地における中間支援組織とSROI・SIBの可能性」
「『タフな街』釜石市の水産加工等復興プロジェクト」
総評:
鈴木 寛氏(参議院議員・「復興リーダー会議」アドバイザー)
発表Ⅱ:
「震災風化を乗り越える」
「指定廃棄物の最終処分場選定プロセスの構築」
「“N助型”ソリューションによる創造的教育復興支援」
総評:
細田衛士(「復興リーダー会議」委員長、経済学部教授)
進行:
田村次朗(「復興リーダー会議」副委員長・G-SEC副所長)
【第2期復興リーダー会議】

第1期の活動を踏まえ、過去の震災からの復旧・復興等について、個人の経験に依拠した「暗黙知」をより多く「形式知」とし、持続可能な地域振興に資する活動モデル・提言策定を目指した。

<第1回会議> 2013年5月25日

講演
「震災から2年が経過した今、被災地/被災者が復興を担うリーダーに求めること」
西垣 克(公立大学法人 宮城大学学長)[DP2_01]
討議
復旧・復興支援活動における課題の洗い出しと、討議テーマの選定

<第2回会議> 2013年6月22日

講演
「持続可能な地域活性化のあり方を考える上で、東北ひいては日本の復興を担うリーダーに求められること」[DP2_02]
千葉大貴(有限会社マイティー千葉重 代表取締役)
小松洋介(特定非営利活動法人アスヘノキボウ 代表理事)
大久保和孝(新日本有限責任監査法人シニアパートナー)
討議
復興、復興支援活動における課題整理と解決策の検討

<第3回会議> 2013年8月3日

講演
「サテライトオフィスの未来 東北の未来」[DP2_03]
星野 晃一郎(株式会社ダンクソフト 代表取締役社長)
討議
グループワーク成果の共有と意見交換

<合 宿> 2013年9月22~23日 宮城県東松島市

見学
津波被災地、野蒜高台移転予定地、メガソーラー等
意見交換
現地リーダー(東松島市役所、地元商工会、みらいとし機構事務局員および機構会員企業等、被災地で活動してきた人々)
討議
現地リーダーとの意見交換を踏まえ、提言・アクションプランのブラッシュアップ
講評・アドバイス
阿部 秀保(東松島市長),橋本 孝一(東松島市商工会長)

<第4回会議> 2013年10月12日

講演
「ヤマトのDNAと東日本大震災復興活動~受け継がれる創業の精神~」[DP2_04]
高橋 宏和(ヤマトホールディングス株式会社法務・CSR戦略シニアマネジャー)
提言・アクションプラン
中間発表会

<シンポジウム> 2013年11月23日

「被災地復興から日本の復興へ‐慶應G-SEC復興リーダー会議の試み‐」提言/報告発表

会場:
G-SEC Square @ SFC ORF 2013 東京ミッドタウン room 7
発表:
「被災地にとどまらず全国的に横展開可能な産業雇用問題」
「地域コミュニティにおける住民と行政との意思疎通」
「震災復興を語る上での福島(原発問題)の特殊性」
「災害時の情報発信・ロードマップのあり方」
パネリスト:
遠藤 直章(国家公務員)、加藤 恵美(国家公務員)、安彦 奈津美(地方公務員)、
石川 重成(地方公務員)
コメンテーター:
竹中 平蔵(G-SEC所長)
進行:
田村 次朗(「復興リーダー会議」副委員長・G-SEC副所長)
【第3期復興リーダー会議】

震災から3年が経過し、「復興リーダー会議」第3期の活動としては、「形式知」化されてきた震災・復旧・復興・地域振興等に関する知見や経験に基づき、非常時におけるリーダーシップの在り方、組織形成の在り方についての分析を通して、平時に応用可能な汎用性のあるシステム作り、提言発信を行い広く社会と共有していくことを目指した。

<第1回会議> 2014年4月19日

コミュニティ・オーガナイジングワークショップⅠ

<合 宿> 2014年5月10~11日

コミュニティ・オーガナイジングワークショップⅡ

討議
復興、復興支援活動における課題の洗い出しと、討議テーマの選定

<第2回会議> 2014年6月21日

発表
第1期・第2期の会議委員による「復興リーダー会議」における活動経験
討議
復興、復興支援活動における課題整理と解決策の検討

<第3回会議> 2014年7月19日

発表
各グループによる提言策定の中間報告及び質疑応答
討議
グループワーク成果の共有と意見交換

<合 宿> 2014年9月14~15日 宮城県東松島市

視察
東松島市の被災地や復興の現場
意見交換
現地リーダー(東松島みらいとし機構、市役所関係者の皆様)
討議
現地リーダーとの意見交換を踏まえ、提言・アクションプランのブラッシュアップ

<シンポジウム> 2014年12月20日

会場:
G-SEC Open Days 2014 三田キャンパス 東館6F_G-SEC Lab
提言発表:
「創造的復興にむけた被災地U・Iターン者との協働」
「被災地における商業コミュニティ再生へのアプローチ」
「より一層の人材活用の推進策に関する提言
‐復興支援員の“かがやく”キャリア形成を考える‐」
「補助金活用に向けた事業者-支援者マッチングサイト『みん補助』」
ゲスト:
マーシャル・ガンツ博士(Dr. Marshall Ganz)(ハーバド大学ケネディ公共政策大学院上級講師(公共政策)、リベラルアーツ学部講師(社会学))